歯周疾患と矯正治療

歯列不正は歯周疾患を増悪させる因子

 不正な歯並びは、歯周疾患を増悪する因子になります。
歯が重なっていたり傾いていると、歯周病の原因となるプラーク(細菌のかたまり)
が歯に付着しやすくなるからです。
 特別連載講座の第一回(2001年5月号)で「歯周病はどうして発症するのか」に
述べたように、歯周病の原因には局所的原因があり、
この局所的原因を除去する治療をする必要があるのです。
 患者さんは、歯肉に炎症を引き起こす原因であるプラークを、
歯に付着をさせないようにコントロールすることが大切です。
しかし、歯並びが悪くて重なっていたりすれば、通常のブラッシングだけで
完全に汚れを落とすのは困難です。
 歯並びの悪いデコボコした部分の歯の汚れも、
ブラッシングだけで完全に落とすのはたいへんです。
歯ブラシだけでは完全に落ちないので、どうしてもデンタルフロス、
歯間ブラシなどの補助道具が必要になります。
そして、磨き残しがないようにていねいに歯を磨くには、
正常の歯並びの患者さんよりも時間がかかります。

 このように、歯列不正は歯周疾患を増悪させる因子になります。
歯列不正はプラークコントロールも不十分になり、歯周病だけでなく
むし歯になるリスクも高まります。
歯周病の治療とともに、矯正治療により歯並びを改善して、
正しい生理的環境を整えることで、局所的原因を取り除かなければなりません。
 不正な歯並びは、歯周組織にもう一つの問題を起こします。
歯は食べ物を粉砕する際、強い力が加わり、
その咬む力は歯を支える歯周組織に支えられています。
歯が傾いていれば、歯周組織に無理な力が加わり、歯周組織が壊れていきます。
 このような歯周組織に破壊的に作用する咬む力を「咬合性外傷」といいます。
歯の位置異常や歯軸の傾斜異常などの歯列不正があると、
咬む力や唇・舌などの余計な力が歯に加わることで、
歯周組織が破壊され、さらに歯が移動して審美性が障害されたりすることもあります。


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